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GIGAスクール構想について

GIGAスクール構想について

定義
GIGAスクール構想とは、1人1台の端末と高速通信環境の整備をベースとして、Society 5.0の時代を生きる子供たちのために「個別最適化され、創造性を育む教育」を実現させる施策である。GIGAは「Global and Innovation Gateway for All」の略で、「全ての人にグローバルで革新的な入口を」という意味が込められている。

GIGAスクール構想の発表当初、文部科学省はリーフレット「GIGAスクール構想の実現へ」にて、1人1台の端末と高速大容量の通信ネットワーク環境の整備を取り組みの中心に位置づけていた。2023年度までの1人1台端末の整備を掲げて取り組みが進んでいた中、新型コロナウイルスの流行と新たな生活様式への対応を受けて、GIGAスクール構想は急加速する。
「GIGAスクール構想の加速による学びの保障」として追補版が発表され、補正予算も4,610億円と大きく増額された。その結果、2021年3月現在、ほとんどの自治体ですでに1人1台端末や高速通信ネットワークが実現できている状況だ。
現在の取り組みの中心は、「授業や自宅学習での端末の利活用促進」「授業での活用事例の創出・共有」「教員の指導スキルの向上」「コンテンツのリッチ化」「高校のICT環境の整備」などの課題解決にシフトしてきている。

背景
GIGAスクール構想が推し進められた背景は、日本の学校のICT環境整備の遅れだった。前掲の「GIGA スクール 構想の実現へ」では、「脆弱かつ危機的な状況」と表現されている。
GIGAスクール構想の発表当初、教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数は全国平均で5.4人/台と1人1台には遠く及ばず、地域間格差も大きかった。また、その当時は世界的に見ても日本の学校におけるICT活用は遅れており、34カ国の先進諸国で構成されているOECDの中で、「学校の授業におけるデジタル機器の使用時間が最下位」という結果になっていた。こうした状況を打破するために、政府は校内通信ネットワークの整備と児童生徒1人1台端末の整備に補助金制度を導入し、GIGAスクール構想を推し進めることになった。
加えて、GIGAスクール構想より前から取り組み自体は始まっていたプログラミング教育もGIGAスクール構想の一部としてあらためて提唱された。AIやIoTを積極的に活用するSociety 5.0の時代の到来に備え、プログラミング教育を通して、情報活用能力と論理的思考力を身に付ける狙いだ。
こうした背景により始まったGIGAスクール構想は、新型コロナウイルスの世界的な大流行を受けてその必要性が急速に高まり、2023年度までとした当初目標も2020年度内とアップデートされ、それに伴う予算措置も取られ、端末などの整備が進み、現在に至る。